第15回 教えて信用金庫さん!
ようやく、お店のオープンに漕ぎつけた。お洒落な店内を眺め、根岸代表と一緒にDIYを頑張った日々を思い出す。先輩バーオーナーのトモジさんにも随分とお世話になった。家族も見守ってくれた。関わった人達への感謝の気持ちが溢れる。そうだ、みんなをお店に招いて、お礼をしよう。
プレオープン当日、皆に喜んでもらおうと張り切った。準備は万端のつもりだった。しかし、業務を回す上で足りないものが多くあることに気がついた。提供スピードを上げるためにはグラスやお皿の数が少ない。コートをかけるハンガーがない。などなど。正式オープンするまでに必要なものを買い足さないと。
翌日、お金を下ろして買い物に出かけようとすると、口座の残高が随分と減っていることに気がついた。思い切って仕入れた商品がお金になるのは売り上げた後のこと。ワインセラー、スピーカーも予定より高いものを購入してしまった。食器類を増やすとなると棚も追加で必要。今後もお金が出ていくだろう。カードの支払いもある。オープン早々、お金の不安が。どうしよう。困った時は根岸代表だ。
根岸代表「無事にオープンできてよかったね。この間はご馳走さま」
マツシタ「とんでもないよ。いいお店を作ってくれてありがとう。ところで今日電話したのは資金繰りが不安で」
根岸代表「開店、当初は結構出ていくよ。会社と違って、お金の管理は自分でしないと。そうは言ってもマツシタは細かい作業が苦手か。俺の知り合いの信金マンを紹介するから、よく話を聞くといいよ。」