サラリーマン・マツシタ 飲食店オーナーを目指す!②

改修工事をする根岸代表

この企画は、群馬県に住むサラリーマンのマツシタが、NPO法人ストックデザインズの協力を得ながら飲食店を開業するまでの物語である。

第2回 

ストックデザインズとは

帰宅後、風呂に浸かりながら根岸から受けた説明を思い出す。

根岸によると、かつて日本に元気があった頃に経済的投資、人的投資で築いた資産(公共施設や民家、田畑など)が、人口減少や景気の悪化により本来の価値を維持出来ていない。結果、公共施設の老朽化や空き家、休耕地といった社会問題になっているとのことだった。この社会的な役割を失った資産(=ストック)にもう一度価値を吹き込む活動を行なっているのがストックデザインズだという。

サラリーマン・マツシタ 飲食店オーナーを目指す!①

この企画は、群馬県に住むサラリーマンのマツシタが、NPO法人ストックデザインズの協力を得ながら飲食店を開業するまでの物語である。

第1回

サラリーマン・マツシタ。NPO法人ストックデザインズと出会う。

その日は外回りに堪えるとても暑い1日だった。外出先から自席に戻ると午後4時半。あと1時間ほどで、仕事の時間は終わる。今夜は頑張った自分へのご褒美として一杯やろう。退社時刻ジャストで会社を出ると、行きつけの焼鳥屋へ。生ビール、枝豆、焼き鳥、ウーロンハイ。いつも通りのメニューをいつも通りの順番で頼む。

頼んだ酒の数が分からなかったくらいから不安が襲ってきた。酔うと悲観的になる癖がある。この先いつまで、今の生活を続けられるだろうか?「終身雇用時代の終焉。昭和なオジサンは生き残れない」なんて言われているけど、自分はどうだろうか?多分、無理だ。今更、流行りのITや金融の知識を覚えるつもりもなければ、覚えることもできない。昼過ぎに買ったタバコの残りも少なくなってきた。そろそろ帰ろう。